きょかしょ、りょうこ、げんかのじょ、みがく

7月17日(土)

KCPの初級中級では、漢字を書いたら必ずその上にふりがなを付けることになっています。ふりがなが正しく書けていなかったら、発音も怪しいものです。教師としては、学生に発音を意識させるために書かせています。その学生が日本語の音がきちんとつかめているか確認するためにと言ってもいいでしょう。「車で駅へ行きます」などというのなら、ふりがななしでもいいと思いますが、「四時まで学校で勉強します」などとなったら、本当に正しく読めるかどうか、ふりがなの形で確かめてみたくもなります。

昨日の中級クラスの文法例文を添削していたら、このクラスの学生は気が緩んでいるのか、ふりがなを書いていない例文がたくさん出てきました。ざっくり言って、ふりがなを書かないのは、自分はよくできると過信している感じの学生たちです。そういう学生は、毎日しっかり予習しろと言っているのに、漢字の読み方も調べてこないので、教科書を読ませるとボロボロになります。

じゃあ、ふりがなを書いている学生が優秀かというと、そうは問屋が卸しません。「教科書」が“きょかしょ”は日常茶飯事だし、「旅行」が“りょうこ”になるのも毎度おなじみです。そういう学生の発話を注意深く聞いていると、やっぱりふりがな通りに発音しているのです。

Gさんはすべての漢字にふりがなを書きましたが、「元彼女」に“げんかのじょ”と振っていました。普通の日本人が”ゲンカノジョ”と聞いたら、“現彼女”だと思うでしょうね。若者言葉を知っているつもりで“ゲンカノ”なんて言ったら、大恥かいちゃいますよ。Hさんは「見学」が“みがく”になっていました。入試の面接で「貴校の施設をみがくした時…」んどと答えたら、面接官に日本語が超下手と思われてもしかたがありません。いや、そもそも話が通じないか…。

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