本を読みながら

6月1日(火)

今、「ポストコロナのSF」(ハヤカワ文庫、日本SF作家クラブ編)というアンソロジーを読んでいます。ポストコロナというくらいですから、各小説とも昨年来の異常事態を踏まえた内容になっています。SFですから、実際にあり得る話かどうかとなると、そうでもないのですが、どれもこれも非常に引き付けられるストーリー展開です。

数えると19人の小説家の作品が載っています。しかし、その19人全員を知りませんでした。略歴を見ると、みんな何らかの賞を取ったことがあるようです。だから、SFの世界ではそれなり以上に知られた存在なのに違いありません。私は普通の人より本を読んでいますから、作家も多少は知っているつもりです。でも、こんなに力のある人たちを知らなかったのです。世の中、広いものですね。

さて、その内容ですが、私たちがウィルス防御を題材にしたり、リモートの人間関係を描いたり、オンラインを取り上げたりと、実に多彩です。去年から今年にかけて書かれたのでしょうが、完成度が高いと思わせられました。短い時間のうちにここまで書けるのかと感心してしまいました。もしかすると、おうち時間を活用して実のある物を書き上げたのかもしれません。

今まで読んだ小説の大半が、現在の状況がずっと続くという設定でした。やっぱり、これを奇に世界が大きく変わるのでしょうね。このSFのとおりになるとは思いませんが、2019年以前には戻らないということも確かなのでしょう一大変革期に出くわしたというのは、果たして幸せなことなのでしょうか。学生たちみたいな若者には、チャンスの塊に見えるのかもしれません。

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