5月20日(木)
昨日よりは暖かかったですが、今一つスカッとしない一日でした。朝のうちは多少日も差しましたが、私が授業に入るころは重苦しい空模様になっていました。関東甲信地方の梅雨入りはまだですが、曇り具合や湿度の高さは十分に梅雨空の貫録を備えています。日曜日ぐらいから晴れる予報を出している手前、梅雨入りは発表できないのだろうかと勘繰ってしまいます。
さて、この稿に最初に出てきた形容詞は“暖かかったです”です。この単語(過去形)は、初級の学生にとって鬼門です。“暖かかったです”は、国籍を問わずみんな滑らかに発音できません。途中でつっかえたり、“あたたかったです”“あたかかったです”“あたたたかったです”など微妙に違う発音をしたりなど、苦労を重ねます。
“暖かかったです”と書ける学生はたくさんいても、きれいに発音できる学生はほとんどいません。私のクラスでも、案の定、みんなうまく言えませんでした。「明日の授業でテストします。今晩、たくさん練習してください。“書きます”じゃありません。“言います”の練習です」ということになりました。
伸びる学生は、ここで自分の現状を謙虚に見つめ直し、“あたたかかったです”と口が回るまで練習します。上級になっても話す力の弱い学生は、読めればいいと思ってろくに練習しません。そういう学生は単語を正確に覚えていませんから、書く方も怪しくなっていきます。自分はできると思い込んでいる学生をへこますには格好の材料なのですが、そういう学生に限って自分の弱点を正視しません。となると、いつまでたっても下手なまんまです。
さて、私のクラスの学生たちはどうでしょう。夢に出てくるぐらいまで練習してくれるでしょうか。
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