5月12日(水)
「この紙のこことここに必要なことを書いて、担任の先生、K先生ですか? にハンコをもらって、また持って来てください。今日じゃなくてもいいです。明日でもあさってでもいいですよ」と、Tさんに説明して事績に戻りました。椅子に腰かけて目を上げると、私を呼んでいるTさんが目に入りました。再び受付カウンターまで行くと、「先生、これは今日じゃなければなりませんか」とTさん。「さっき言ったじゃないか!」という言葉を飲み込んで、「いいえ、明日でもいいですよ。あさってでもいいです」と答えました。最初に説明した時、中級のTさんに対して、誤解がないように、初級の前半並みにゆっくり話したんですけどね。
その直後、Tさんと同じレベルのSさんが、物理の問題について質問に来ました。まず、問題文の意味がつかめていないようでした。それを説明した後、解き方がわからなさそうでしたから、「これは浮力の問題です。浮力がどう働くか考えれば、答えがわかります」とヒントを出しました。しかし、Sさんはまだわからない顔を続けています。どうやら“フリョク”が何かわからないようでした。受験講座で説明していますから、文字や図で示せば絶対に通じるはずです。しかし、耳からの音声情報だけではわからないんですねえ。
この2人にとどまらず、ゆっくりしゃべっても易しい言葉を選んでも話が通じないという場面が増えたように感じます。中級でこの程度だと、先行き明るくないです。TさんもSさんも志望校は決まっていますが、これからグーンと伸びないと手が届きません。受験講座に出ているRさんもQさんも、真剣に勉強に取り組んではいますが、私の言葉が一発では捕まえられない場面がよくあります。早くも受験講座から脱落したPさんも、このせいだったかもしれません。不安が募ります。
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