4月19日(月)
今学期、私が受け持っているクラスは、入国できずに国で勉強している学生たちのオンラインクラスです。ですから、テストもオンラインです。
オンラインのテストは、紙のテストと違って、コンピューターが自動採点してくれます。選択問題の採点は手間がほとんどゼロになりました。しかし、筆答問題はそうはいきません。
初級クラスでは、音と表記を一致させるため、漢字を使わせません。例えば、「何の」と漢字で書いてしまうと、その学生がちゃんと「なんの」と読んでいるかどうかわかりません。「なあの」「なの」などと発音していても、漢字表記だと、それが表面化しません。
紙の試験用紙に手書きだと、学生側も意識しますから、すべてかな書きします。しかし、オンラインだとキーボード入力ですから、そこまで注意が回らないことがよくあります。また、ついうっかり漢字変換してしまったり、コンピューターが気を利かせすぎて自動的に漢字表記になってしまったりなどするため、たとえ注意しても、漢字の答えが多くなってしまいます。
Mさんは、授業中活発に答えるし、反応もいいし、きっと成績もいいだろうと思っていましたが、漢字に引っかかって、大きく沈んでしまいました。XさんやBさんもそのタイプだと思います。提出時刻を見ると、みんな制限時間を大きく余して出しているんですね。「漢字は×」という注意書きも読まず、答案を見返すこともなく提出ボタンをクリックしてしまったのでしょう。
なんだか注意力テストになってしまったようですが、Mさんをはじめ、今回悪かったできうる組の学生たちは、次回のテストではきっと軌道修正してくるでしょう。それ以後が本当の実力が現れるテストでしょう。
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