証書

4月1日(木)

新年度を迎えましたが、まだまだ昨年度を引きずっています。午前中は進学データの抜け落ちを埋めていきました。午後一番には、3月の卒業生のTさんが来ました。

Tさんは卒業式当日が受験日だったので、証書がもらえませんでした。進学先が決まったことの報告と、KCPを離れる際の諸手続きを兼ねて、卒業証書を受け取りに来たのです。

Tさんとは、オンラインでばかり付き合っていました。同じクラスの学生の中には、オンラインとなるといい加減なことばかりしていた学生もいましたが、Tさんはそういう学生ではありませんでした。打てば響くような鋭さはありませんでしたが、階段を1段ずつ上ってきていることがわかる学生でした。

しかし、受験に関しては焦点が定まりませんでした。変な情報をつかまされては右へ左へぶれ続けていました。1本芯が通っていれば、去年のうちに進学が決まっていたはずです。それなのに「必ず受かる」とか言いながら無茶な受験をしては不合格を重ねました。あげくの果てに、ビザが出ない募集に応じようとし、担当教員総出で出願をあきらめさせたこともありました。

授業態度を見る限り、努力をいとうタイプだとは思えません。進学が無理なほどの日本語力でもありません。にもかかわらず、受験に関しては、逃げて回ったり真っ当な道を進もうとしなかったりしていました。結局、1年前に挙げた志望校とは似ても似つかぬ進学先になってしまいました。自分に自信が持てなかったのでしょうか。

JASSOの調査によると日本語学校生が激減しているとのことです。だから今年の留学生入試は楽になると考えて、危ない橋を渡ろうとする学生が現れるような気がします。そうすると、Tさん2世が生まれてしまうかもしれません。

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