9月11日(金)
ゆうべ、YさんがA大学の指定校推薦の申込用紙をもらって帰りました。指定校推薦にかかわる注意事項を説明し、志望理由など必要事項を記入して、期日までに提出するように言いました。
今朝、再度、Yさんに意志を確認すると、指定校推薦はやめると答えてきました。そして、A大学の留学生一般入試の資料を見ていました。指定校推薦は併願ができないという縛りがきつく感じられたようです。Yさんの実力なら、普通の入試を受けても合格の可能性は十分にありますから、いい決断だったかもしれません。
指定校推薦入試は、送り出す学校側が「この学生ならこの学校でしっかり勉強するに違いない」と思う学生を受け入れる学校側に推薦し、受け入れる側はその学生を原則合格させるという制度です。送り出す側、受け入れる側両者の信頼関係に基づいて成り立っている制度です。だから、併願はその精神にもとる行為であり、ましてその併願校に進学するなど、信頼関係を破壊するものです。
見方を変えると、指定校推薦はAO入試の一端を送り出す側が担っている入試制度だとも考えられます。こちらでその学生がその学校に進学する意志の固さを確かめ、能力面も含めて、その学生がその学校にふさわしい人物かどうかを熟慮した上で責任持って送り出すのです。現に、KCPでは指定校推薦に関しては学内で面接して、推薦する学生を決めています。入試そのものではありませんか。
学生にとっては、進学先選びは自分の人生を支配する一大イベントです。指定校推薦によって合格はほぼ保証されたも同然ですが、歩むべき道が1本に指定されるというのが、自分の可能性を切り捨てるように思えてしまうのかもしれません。それゆえ、A大学のような名のある大学からの指定校推薦でも、考えた末に見送るケースが少なからずあるのです。
夕方、YさんはA大学の出願書類を持って相談に来ました。着々と準備を進めているようです。