1月19日(火)
オンライン授業の難しい点は、学生の発話をいかに多くするかです。種々の小道具や小技、手練手管を駆使しても、談論風発とまではなかなか至りません。上級や超級ならそれでも少しは得るものがあるかもしれませんが、初級はそれじゃ意味がありません。習った文法を応用して話をすることに、コミュニケーションを取ることに、授業の意義があるのです。そこで、学生の発話練習を促進するために、初級クラスのオンライン授業のサポートに入りました。
文法の導入はS先生が全体をまとめて行い、その後の練習からクラスの半分を私が受け持ちました。日本語を始めたばかりの学生たちのクラスですから、日本語の音に慣れさせ、口を開かせることが私の使命です。少人数になったのですから、名簿と画面を見ながら次々と指名し、怪しい発音を訂正し、無理を承知の上でzoomを通してコーラスさせました。
2020年度は、それまでに比べて、学生の発話力を十分に伸ばせなかったという反省があります。受験期になって面接練習する段に及んで、“おやっ?”“あれっ?”というパターンが少なくありませんでした。それでもどうにか合格を手にしている学生がいるところを見ると、留学生全体の発話力が低下しているおそれもあります。これを結果オーライとしてしまうのではなく、19年度までの水準に少しでも近づける算段を立てなければなりません。
明日の晩から首都圏や関西圏では終電が早まります。まだまだ戦いが続き、授業を従前の形に戻せるようになるには、時間を要しそうな形勢です。オンライン授業の研究開発の余地は、大いにあります。
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