360点

9月2日(水)

初級のSさんはK大学への進学を考えています。それに向けて、塾にも通っています。塾ではEJUの読解や聴解の問題を特訓しているようです。それは非常に結構なのですが、問題を解くテクニックの習得に傾きすぎているきらいがあります。だから、KCPの勉強には身が入りません。そのあげく、中間テストの文法は不合格でした。

今日の文法テストも、細かいミスが積み重なり、結局合格点を少し超える程度の成績止まりでした。文法が全然わかっていないわけではありませんが、正確には使えませんし、そもそも今まで勉強してきたはずの内容に抜け落ちがあります。こんな調子では、テクニックを駆使してK大学に入ったとしても、そこでいい勉強はできないでしょう。

来年6月のEJUの日本語で360点取るのが目標だと言います。360点といえば、間違えられるのはせいぜい2問です。単にテクニックだけではなく、相当な集中力も必要です。しかし、授業中のSさんの態度を見る限り、集中力がありそうな感じはしません。

私たちは、どういう測り方をされても高く評価されるような日本語力を学生につけさせようと思っています。そういう日本語力があれば、どんな方向に進んだとしても、学生自身の人生に真に寄与する学問や仕事ができます。それこそが学生の人生を豊かにするものと信じています。“いい大学”に入るには迂遠な方法かもしれませんが、インスタントの日本語力で挫折するよりは、最終的にはより高いところに立てると信じています。

Sさんは私との面接もそこそこに、塾へ急いで行きました。毎日明け方の4時ごろまで勉強するそうです。その努力は多としますが、ぜひとも無駄な努力にならないように、自分自身を大局的に見てほしいものです。

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