後悔先に立たず

10月21日(水)

先週末、ほかのクラスからは「T大学に合格しました」という声が聞こえてきたのですが、Cさんからは何の報告もありませんでした。“便りがないのは無事な証拠”と巷間では言われていますが、KCPでは“報告がないのは落ちた証拠”です。そういう意味で嫌な予感がしていたのですが、D大学の面接練習に来たCさんに聞いてみると、案の定でした。

そういうわけで、Cさんは今週末のD大学の試験に勝負をかけます。筆記はある程度自信があるようですが、面接はからっきしなのです。D大学の入試でも、面接試験会場で、KCPで練習したのと違う面接室への入り方を指示されたため緊張してしまったとか。半分は言い訳でしょうが、面接練習をしてみると、半分は事実のようでした。自分の短所として、人前ですぐ緊張する点を挙げていました。毎週授業で顔を合わせている私を目の前にしてあがってしまうようでは、先行き決して明るくはありません。

その1つの原因として、Cさんは自分の発話能力に自信を持っていない点があります。ネットや本など、文字情報を吸収することを中心に勉強してきたCさんは、自分から何かを発信することに慣れていません。授業で指名しても、単語でしか答えません。そういう答え方で、いわゆる化石化が起きてしまっているのかもしれません。D大学の入試には口頭試問もありますが、専門用語を黙読するばかりで声に出したことがないCさんにとってはこれまた難問です。頭で理解している事柄を日本語で口頭表現できないのです。そういう勉強をしてこなかったことを後悔している様子が、Cさんの表情からありありとうかがえました。

Cさんのような口が遅れている学生は毎年いますが、みんな入試で痛い目に遭うまで自分の勉強のしかたに問題はないと信じています。若いのに、どうして頭が固いのでしょう。

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