9月24日(木)
来月からまた日本語教師養成講座の授業を受け持ちます。私が担当する授業の中に、日本語の語彙に関する部分があります。日本語は他の言語に比べて日常使われる語彙数が多いという話をします。日本語の単語のルーツには、和語、漢語、それに外来語があり、また、話し言葉と書き言葉の違い、かたい場面とくだけた場面での言葉遣いの違いなど、語彙が増える要素ばかり目立ちます。日本語は、アルファベットの言葉の3倍くらい単語を覚えないと、語彙的に同じレベルにならないそうです。
このことは、当然、学習者にとっては重荷になります。日本語は、動詞の活用が規則的だとか、修飾語は被修飾語の前に来るとか、文法は決して難しくありません。だからとっつきやすいのですが、しかし、覚えるべき単語が続々と湧いてきて、上達しようと思うと、底なし沼にはまるがごとき様相を呈してきます。
KCPの学生も状況は全く同じで、昨日の期末テストでは、超級の学生たちもみんな語彙で討ち死にしました。漢字の読み書きに関してはかなりのレベルに到達している学生も、その読んだり書いたりできる漢字の言葉を正しく使えるかというと、残念な答えにしかなりません。これぐらいは正解してくれるよねと思った問題でも、実にあっけらかんと間違えてくれます。
読解のテストはそこそこの点が取れていますから、理解語彙はけっこうあるのでしょう。しかし、使いこなせる語彙となると、まだまだなのです。努めて語彙を増やす方向に授業を持って行っているつもりですし、短文作成などで使うチャンスも与えているはずなのですが、どこか何か足りないのでしょう。
かろうじて合格点くらいの答案に囲まれると、学生たちから責められているみたいです。
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