8月20日
このところ中間テスト後の面接をしていますが、今日の相手はDさんでした。DさんはKCPのほかに進学のための塾にも通っています。在籍期間の関係上、来年の3月で卒業しなければならないのですが、進学の準備がはかばかしくありません。夏休み明けには各方面で出願受付が始まるというのに、Dさん自身が動いている気配がしないのです。
ご多分に漏れず、Dさんも入学当初は有名大学に入りたいと言っていました。しかし、6月のEJUの結果を塾の先生に見せたら、それまでDさんが考えもしなかったような大学を薦められました。私が見ても妥当なところだと思える大学です。Dさんは、半分は納得しつつも、「有名な大学で入りやすいところはありますか」と聞いてきたあたり、まだ完全にはあきらめ切れてはいないのでしょう。
もちろん、言下に否定しました。今まで私たちよりも塾の先生を信じてやってきたのですが、自分の思いとかけ離れたことを言われたので、何とかこちらの口から甘い言葉を聞きたかったのでしょう。私にしてみれば、そういう危機感のなさが何とも腹立たしい限りです。
塾の先生に薦められた大学も、出願がそんな遠い未来ではありません。しかし、Dさんは国の高校からもらうべき卒業証明書や成績証明書すらもらっていません。もらってもそれを翻訳しなければなりませんから、今すぐ動かなければなりません。そういうことをDさんにわからせるのに、多大な労力を使いました。
そもそも、Dさんは大学で何を勉強するかもあやふやです。だって、大学の名前が第一優先でしたから。その大学の名前で選べなくなったので、すっからかんの中身が露呈したというわけです。
Dさんほどのつわものはそう多くないにしても、波乱を予感させる今日の進学指導でした。