7月11日(土)
3月の卒業したSさんが、ビザ更新に必要な書類を取りにKCPへ来ました。第一志望のR大学に進学したSさんですが、キャンパスでの対面授業はもちろんのこと、オンライン授業もほとんどありません。一部の語学の授業を除いて、実質的に学生が自習することになっています。自分で教科書を読んで、演習問題をやって…という毎日だそうです。前期は定期試験もなく、後期も対面授業は望み薄のようです。
教師が計画的に授業を進めていくのなら、科目間の連絡も取れていて、学習がスムーズに進むことでしょう。しかし、学生が自分で教科書を読み進むとなると、そのバランスも崩れてしまいます。授業Aで習ったことを応用すると授業Bの理解が深まり、それを基礎に演習科目Cに取り組むとその専門分野が立体的にとらえられる―というようになっているはずです。Sさんはそれがうまくできず、進んだり戻ったりしていると言っていました。
確かに、R大学には優秀な学生が集まっていますが、大学院生ではなく学部の1年生に専門分野の自習を求めるのはかわいそうです。1年生の授業に集中的に教師を割り当てられなかったのでしょうか。Sさんはそんなことは言っていませんでしたが、「授業料半分返せ」という声も十分理解できます。
他の大学に進学した卒業生たちはどうしているでしょう。どこも去年までとは全然違う形の授業になってるでしょうが、多少なりとも大学生活らしい生活が送れていることを祈るばかりです。同時に、在校生への進路指導も、こういう異常事態下であってもきちんとした勉強ができるところを薦めるようにしていきたいです。
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