残業は嫌だ?

8月13日(木)

昼休みに午前クラスの中間テストの採点をしていると、H大学の大学院に進学したSさんがやってきました。明日から一時帰国するので、お土産を買いに新宿まで出てきたとか。

Sさんは大学院の2年生ですが、就活はもう終わり、2社から内定をもらいました。しかし、そのどちらにも就職せず、帰国するそうです。日本の会社は残業が多そうだから入りたくないと言っていました。それを聞いたK先生は、日本で勉強した優秀な人材が日本から出て行ってしまうなんてもったいないと感想をおっしゃっていました。

一昔どころかつい最近までは、日本の会社から内定がもらえたら、一も二もなくそこに就職したものです。そして残業の多さに参って帰国というパターンはよく聞きました。長時間労働という労働環境に加えて、円安の影響もあるのかもしれませんが、経済的にも魅力がなくなってしまったのでしょう。国の勢いの差なのでしょうかね。

ワーク・ライフ・バランスという言葉を近年よく耳にします。Sさんの目には、日本企業で働く若手社員は「ワーク」のほうに傾きすぎていると写ったのでしょう。内定を得た2社は日本人にとっては「いい会社」です。そういうところでも、そういうところだからこそ、残業が多いのでしょう。私ぐらいの年代ではその残業が光って見えたものですが、今はそういうのは流行らないんですね。

私も、本当はもう少しのんびり働きたいなと思います。受験生の尻をたたいて競争に追い立てるのではなく、日本語や科学のおもしろさをじっくり伝える仕事ができたら幸せです。

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