6月3日(水)
3時過ぎ、オンラインの受験講座の前半が終わって、窓際でぼんやり外を眺めていると、「先生、卒業生のWさんが書類の申し込みに来ています」と声をかけられました。数日前、ビザ更新に必要な書類を申し込みたいとメールを送ってきましたから、KCPのホームページから直接申請できると教えました。メールが来たのは緊急事態宣言が解除されたころでしたが、出歩かないに越したことはありませんから、そう答えておきました。
1階の受付まで下りると、Wさんが申請書類に必要事項を記入しているところでした。「KCPは学校で授業が始まったんですか」「うん、今週からね。でも、全部の学生が一緒にならないように、レベルによって来る日を変えてるんだ。Wさんのところは?」「うちの大学は、今学期は学校で授業がありません。オンラインだけです」「Wさんみたいな専門だと、それは困るよねえ」「はい。でも、私はコンピューターグラフィックスですから、まだましです。だけどやっぱり、大きな制作は大学に事前に申し込んで設備を使わせてもらってるんです。彫刻の学生なんかはかわいそうですよ、何にもできませんから」
去年の今頃思い描いていた大学生活とはだいぶ違うようです。1年生ですから、まだ焦ってはいないでしょうが、もどかしさは感じていることと思います。KCPまでわざわざ来たのも、うちから一歩も出られない、出る用事がない、そういう憂さを晴らす意味もあったのではないでしょうか。
今年就活とか大学院進学とかという卒業生はどうしているでしょうか。去年の秋あたりに夢を熱く語っていた何人かの顔が頭をよぎりました。
日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ