4月15日(水)
道で知り合いに会うと、軽く会釈し、笑顔を見せるものです。挨拶の言葉を交わすこともあるでしょう。私は、立ち話はめったにしませんが、「こんにちは」とか「ご無沙汰してます」とか、出会った人に合わせて声をかけることはあります。
お昼から戻ってくるときに、オンライン授業が始まる直前まで校内のお掃除に来てくださっていたHさんが向こうから歩いてきました。「こんにちは」といいながら頭を下げ、にっこり笑ったつもりなのですが、Hさんはどこか怪訝そうな表情でした。そうです。マスクをしていたのをすっかり忘れていました。口元に笑みを浮かべても、まったく無意味なのです。目だけ笑っていて、不気味だったのかもしれません。
確かに、どこかで鼻から下が隠れていて目だけ細めてこっちを見ている人に出くわしたら、ちょっと警戒しちゃうかもしれません。マスクに隠れている部分を補い、知人だとわかって初めて、安心して微笑み返すことでしょう、マスクの下で。
昨日までは養成の講義や受験講座でしたが、私にも今学期の日本語の授業が回ってきました。オンライン授業のいいところは、学生がみんなマスクを外して顔を見せてくれることです。画面に出てくる各学生の映像は小さなものですが、教室で顔の3分の2ぐらいが隠れている学生を見るより安心感があります。ことに、今学期は知っている学生が大部分卒業していったため、クラスの大部分が知らない学生です。その時、マスクのない顔というのは、多少なりとも個性が現れて、私にとってはやりやすいです。
今学期中に、この学生たちと生身で顔を合わせる日が来るのでしょうか。都内で127人の新規感染者と報じられています。
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