口は雄弁に

2月22日(土)

教室にマスクが目立ちます。コロナウィルスに感染しないようにということなのでしかたがありませんが、授業がやりにくいです。まず、学生の声がこもってしまい、聞き取りにくいです。学生の発言を聞き返すことが増えました。その分、授業がスムーズに流れなくなります。

そんなことよりも、口元を隠されると、こんなにも表情が読めなくなるものかと、逆に感心しています。学生がわからなさそうな顔つきをしていたらもう少し説明を加えるとか、楽しそうにしていたらその活動を少し延長するとか、そういった現場での授業の微調整がしづらいのです。そこまでいかなくても、目の前の学生たちが何を考えているのかつかみにくく、商売がやりづらいことこの上ありません。

火曜日だったと思います。午後、食事に出たら、「先生、こんにちは」と学生に声をかけられました。その学生はマスクをしていましたが、わざわざマスクを取ってくれました。そのおかげで、声の主が初級で教えたMさんだとわかりました。とてもさわやかな印象でした。顔を全部見せるって、コミュニケーションの上で重要なんだと感じさせられました。

今朝の新聞に、マスクで顔を半分隠す習慣が、コロナウィルスの流行が収まってもそのまま日本に定着するのではないかと出ていました。マスクをすることによって心を隠し、安心感を得るのでしょう。でも、マスクをして感情を見せなくした群衆から受ける圧迫感はそれ以上だと思います。塵も積もれば山となるで、日本社会全体が不安定な方向へ傾くんじゃないかと心配しています。

関東地方で春一番が吹いたそうです。この強風でウィルスを吹き飛ばし、活力のある社会を作り直したいです。

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