2月6日(木)
「みんなの日本語」には、て形をはじめいくつかの山があります。その最後の山が敬語と言っていいでしょう。尊敬の動詞には、例えば、「食べます」に対して、「食べられます」「お食べになります」「召し上がります」と最低3つあります。しかも、「召し上がられます」などとすると二重敬語となり、敬意が増すどころか非文法的な表現になってしまい、かえって失礼に当たりかねません。「お食べになります」はよくても、「お見になります」は使えません。「お読みになります」は尊敬語ですが、「お読みします」は謙譲語ですから目上の人の動作に使ってはいけません。いや、そうとも言い切れない状況を設定することができますから、よけいにややこしいのです。
この敬語について、養成講座で話しました。毎度のことですが、日本語教師を目指そうという、日本語に対する意識が高い方々も、いきなり敬語について質問されると、正しく答えることは難しいものです。「来る」の尊敬語は「いらっしゃる」以外に何があるかと聞かれたら、すぐに答えられますか。ポンポンポンと3つぐらい立て続けに言えたら、日本語力に相当自信を持っていいでしょう。
養成講座の敬語は、もちろん、尊敬語や謙譲語を暗記してそれで終わりではありません。待遇表現というもう一回り広い範囲の文法の一部としてとらえます。待遇表現とは、話し手と聞き手、書き手と読み手の人間関係や、その言葉が発せられる状況・場面などに応じて用いる各種表現です。こういう文や口のきき方は失礼になると考えることが、待遇表現なのです。
…ここから先は、KCP日本語教師養成講座でお話ししましょう。
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