自己紹介

1月9日(木)

「Tさんですね。では、まず、簡単で結構ですから、自己紹介をしてください」「あ、はい。Tと申します」「…」「…、あの、まだ何か言いますか。誕生日も言いますか」「面接は何のためにするんだと思いますか。面接で大切なことは何ですか」「自己アピールをします」「そうですね。名前や誕生日を言うことは自己アピールになりますか」「いいえ」「じゃあ、何を言えばいいと思いますか。よく考えてください」

毎度おなじみの面接練習の一場面です。突然自己紹介をしろと言われると、上級の学生でも困ってしまうことが多いです。Tさんだってしゃべれないわけではありません。EJUではまあまあ以上の成績を取っています。それでも冒頭のようになってしまうものなのです。

Tさんには自己アピールのネタがないどころか、野球チームのピッチャーとして海外遠征までしています。これを訴えれば、絶対面接官の記憶に残ります。KCPの学生は、どうしてこうも奥ゆかしいのでしょう。面接は自己アピールの場だと頭ではわかっていても、そういうふうに教えられていても、具体的に考えたことがないのだと思います。それじゃあ、コミュニケーション力重視の昨今の面接には勝ち残れません。

Tさんのように語る材料を持っている学生は、その材料をどうまとめ上げるか、進学先での勉強や将来設計とどうつなげるかを考えれば、面接官の心をつかむことができるでしょう。語る材料がない学生は、まず、自分自身を徹底的に振り返らなければなりません。棚卸と言いましょうか、自分を特徴づけるものは何か見つけ出す必要があります。でも、そうやって自分について深く知ることを通して、改めて大学で何を学ぶべきか見つめ直すことにつながると思います。

Tさんはあさってが本番です。ストーリーを組み立て直して面接を乗り切ってくれるものと信じています。

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