12月16日(月)
超級クラスで、紙の本がもうすぐなくなるのではという記事をもとに、もうすぐなくなりそうなものを挙げてもらいました。あっという間に話が終わっちゃうかなと少し心配していましたが、杞憂でした。
しょっぱなに指名されたIさんは、元気な声でいきなり「KCP」と答えました。クラスのみんながそんなこと言っちゃまずいという顔になりましたが、Iさんは「インターネットを通して語学の勉強ができるようになれば、わざわざ学校に通う必要もないと思います」と理由を説明してくれました。その通りとうなずく学生もいれば、「それじゃあ留学のビザが取れないから、日本へ来られなくなっちゃう」と、全然違う角度から反論を加える学生もいました。
Sさんは、「日本へ来て日本の文化に触れることが留学の大きな意味だから、KCPがなくなってしまっては困ります。それに、ネットで一人で勉強するより、みんなと議論しながらのほうが、役に立つ日本語が身に付きます」と、教師一同泣いて喜びたくなる反対意見を述べました。
Tさんは、「でも、先生だって、毎学期同じ授業を繰り返すのはつまらないでしょ?」と、こちらの心理を尋ねます。「確かに初級のひらがなの書き方とかて形のつくり方や練習なんかは毎学期同じかもしれないね。でも、このクラスみたいなレベルになると、クラスの学生の雰囲気や進路や興味の対象に合わせて授業を組み立てるから、同じ教科書を使っても進め方はかなり違うんだよ」と実情を語ると、学生たちは感心したような顔をしていました。
そうはいっても、教科書は電子配信の方がありがたいみたいでした。タブレットにチャカチャカと書きこむ方が、今の学生にとっては勉強しやすいのでしょう。こちらの方は、早晩そうなっていくのではないでしょうか。
学生に考えさせるつもりの授業が、こちらが考えさせられてしまう授業になりました。
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