12月5日(木)
受験講座の物理と科学を受けているCさんはとてもまじめな学生です。私の話を真剣に聞き、練習問題にもまじめに取り組んでいます。今はまだ初級ですから、日本語の読み取りに難点があり、題意を取り違えることもたまにあります。それは、こちらが説明すれば「ああ、そういうことだったのか」ということで納得します。
今、Cさんが一番苦労しているのは、計算問題です。それも、文字式の計算よりも、具体的な数字の計算です。どうしてかというと、式に出てくる数字をまじめに計算してしまうからです。掛け算や割り算を細かい数字まで筆算で計算していますから、時間がかかります。そのうえ、桁数をたくさん取りすぎて足し算や引き案をするときに位取りを間違えてしまいます。まじめなだけに、細かいところまで正確にという意識が強すぎるのです。
EJUの問題では、ほとんどの場合、有効数字2桁で答えを出せばいいです。2桁でいいとなると、途中の計算はせいぜい3桁までで十分です。しかも、EJUでは選択肢が出されていますから、問題によっては最初の1桁を出しただけで答えが選べてしまうのです。
それならば、それに対応した計算方法があります。大胆に約分をして思いっきり式を簡単にし、上1桁か2桁を見て答えを得ればいいのです。桁数が少なくなれば間違いも減りますから、速さ正確さともに追求できます。
これを受験のテクニックと言ってしまうと若干聞こえが悪いですが、エンジニアには必須の素養です。概略いくらなのか、それは妥当な数字かどうかというのを素早くつかみ判断できてこそ、一人前のエンジニアです。いわゆる“勘が働く”というやつです。
今、Cさんにはこの勘を伝えている最中です。Cさんにとって6月が勝負の試験ですから、勘を磨き鍛える時間はたっぷりあります。
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