手のひら返し

12月2日(月)

Wさんが大変なことになっています。先学期までは典型的な優等生で、入学以来9月の台風の日に休むまで、無遅刻無欠席でした。それが、今学期に入ってから、ボロボロの状態です。私は毎週月曜日にWさんのクラスに入りますが、ほとんど姿を見かけません。

担任の先生は、もちろん何度となく注意しています。しかし、一向に効き目がありません。原因として考えられるのは、「合格」です。第一志望校に進学が決まり、緩みまくっているとしか考えられません。受かった日にどんちゃん騒ぎをして翌日休んじゃったというのなら、それもいいことではありませんが、まだ理解の範囲内です。しかし、2か月も合格祝いが続くわけがなく、たまに出てきたときは元気そうだと言いますから、何をどう考えていることやらわかりません。

今までにも、合格したら来なくなったという学生はいました。しかし、そういう学生はもともと危ないにおいを放っていましたから、何となく見当がつきました。Wさんのように出席に関しての模範生から真っ逆さまの転落という例は、非常に珍しいです。入学以来1年以上にわたって出席率100%という学生は、それなり以上に志操堅固ですから、合格したとしても大崩れすることはありませんでした。10月・11月と札付きの問題児になってしまったWさんにいったい何があったのでしょう。話を聞こうにも、そもそも学校へ来ないのですから、聞きようがありません。

優等生というWさんの仮面を見抜けなかった私たちに、人を見る目がなかったのでしょうか。だとしても、消え去ることのない裏切られた気持ちで、出席簿のWさんの欄に「欠席」を記録しました。

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