10月30日(水)
今学期の受験講座・理科は、EJUが近いので、EJUと同じ形式で過去問を解かせています。つまり、80分で2科目を解き、答えをマークシートに記すという方式です。これをやると、学生の隠れた面が見えてきます。
Lさんは、こっそりスマホに手を伸ばし、電卓として使っていました。これは問題外ですね。本番だったら不正行為ですし、そもそも数値計算ですぐ電卓に頼ろうとするところが理系にあるまじき発想です。
EJUレベルの数値計算は、電卓など使わなくても答えを出せなければなりません。EJUは選択式ですから、せいぜい上2桁まで出せば正解が選べます。それなら概算で十分なのです。そんな概算も暗算でできなかったら、理系の勉強や研究はできないでしょう。概略どのくらいの数字になるのか、その数字は妥当な線なのか、大きいのか、小さいのか、そういうことがぱっと判断できるかどうかが、理系でやっていけるかどうかの分かれ目だと思います。AIがどうのこうのという以前の、研究者・技術者としてのセンスの問題です。
Sさんは、制限時間のだいぶ手前で問題を解き終わってしまいました。そして、机に突っ伏したりボーっとしていたりしていて、挙句の果てに文法か何かの宿題を始めました。80分経った後に解答を配り自己採点させるのですが、Sさんは5問間違えたとか8問ダメだったとか言います。満点に程遠い成績なら、どうして最後まで粘って1問でも多く正解を勝ち取ろうとしないのでしょう。こんなことを繰り返しているようじゃ、好成績は望めません。
Nさんは、Sさんとは逆に、最後の最後まで粘ります。でも、正解とその解説を読んで納得することが多いようです。どうやら、問題文の読み取りが不十分なようです。問題の意味を噛んで含めるように説明してもらってやっと、自分の理解が違っていたことに気づくのです。こちらは日本語力がついてくれば解消されるかもしれません。
いずれにせよ、EJU前は来週が最終回です。本番でこの模擬試験方式の効果を発揮してくれることを祈るばかりです。