10月28日(月)
午前中の選択授業が終わると、私のクラスにいたUさんが、「先生、T大学に合格しました」と報告してくれました。授業中こっそりスマホで合格発表を見ていたのかもしれませんが、まあ、それは大目に見てあげましょう。
そんな会話をしていたら、同じT大学を受けたKさんがわざわざ私の教室まで来て、合格の報告をしてくれました。UさんもKさんも指定校推薦入試ですから、合格は当然と言えば当然ですが、面接できっちり推薦入学の模範生としての覚悟を示してくれたのでしょう。
夕方、H先生から「KさんがT大学に受かったそうですよ」と声をかけられました。KさんはH先生のところへも報告に行ったようです。「ところで、Uさんはどうなったか知っていますか」とH先生に聞かれました。「Uさんも受かりましたよ。先生には何も言ってこなかったんですか」「ええ、何にも」「困ったやつだなあ。散々お世話になったのに。逆さづりにでもしてやりましょうか」「本当にそうしてやりたいですよ」
UさんもKさんも、先学期はH先生が受け持っていました。指定校推薦で受けると決まってから、2人ともH先生に毎日のように面接練習をしてもらっていました。ですから、私なんかよりも、まず、いの一番に、H先生に合格の報告とお礼をしなければならないのです。Kさんはそれをしたようですが、Uさんは職員室でH先生を待つこともなく、帰ってしまったようです。
挨拶をしなかったからといって差別をするほど、H先生は心が狭くはありません。しかし、心証は悪いでしょうね。そういう不義理に慣れてしまうと、絶対に義理を欠いてはいけない場面でやらかしてしまうことも想像に難くありません。Uさんには、明日にでも、H先生のところへ行かせましょう。