7月15日(水)
授業が始まり、出席を取って、連絡事項を伝え、宿題を返して、そのフィードバックをしたところで、Kさんが「病気ですから帰ります」と言い残して、早退してしまいました。事務の担当者の話によると、Kさんは来日してからひと月もたっていないのに、気ままな振る舞いが目立つとのことです。
Dさんは宿題をしてきません。漢字の宿題も文法の宿題も、未提出だったり、未完成のまま提出したりと、のらりくらりと宿題から逃げ出そうとしています。月曜日の漢字のテストも、勉強した形跡が見られず、クラスの最低点で不合格。来週水曜の文法テストが思いやられます。
この2人はどうも物見遊山的にKCPに通っているようです。サブカルか何かで日本に興味を持ち、それが高じて日本に留学したのでしょう。大学進学などというしっかりした目標があるわけでもなく、ただ単に日本での生活を楽しんでいることが、行動の端々にうかがえます。
確かに、自分の勉強した言葉が通じる外国を自由に歩けたら、自分の興味を持った文化にどっぷり漬かって暮らせたら、どんなに楽しいだろうと思います。KさんやDさんはそういう生活を送っているのでしょう。でも、貧乏性の私には、学校の授業料を捨てるようなもったいない行為にも見えます。
10年後、20年後、あるいは30年後のKさんやDさんは、自分の人生における2015年日本留学をどう位置づけるでしょうか。教えている側としては、単なる青春の思い出としてほしくはありません。たとえ短い期間であれ、実質的な成果を手にし、自分の人格の太い骨を形作った時期だったと思えるような留学にしてほしいのです。
古いと言われても私はそう考えます。そう考えて授業していきますから、KさんやDさんのような学生にするとウザイ感じがするかもしれません。そんなウザイ人間とも付き合うのが人生だとわかってもらうのが、私の役どころなのでしょうか。