8月26日(月)
夏休みは、春の10連休に続いて、一緒に行きたくないシリーズの旅行をしました。唐津、名護屋城跡(名「古」屋ではありません)、生月島、平戸、島原、雲仙、原城跡。いかがでしょうか。そして、天草を通って熊本へも行きましたが、寄ったところは超低視聴率にあえぐ大河ドラマ・いだてん(私は、随所にクドカンの非凡さが見て取れる、とても楽しめるドラマだと思っています)関連の展示館がある玉名です。
上記の地名、何も見ずにどこにあるかわかったら、相当地理に詳しい方でしょう。大き目の白地図で、それぞれどこにあるか人差し指できちんと指し示せる人は、ほとんどいないんじゃないかな。
唐津と名護屋城跡は佐賀県にあります。でも、佐賀県は、今学期から使い始めた初級の読解教科書に日本一の不人気県として載っています。知名度が低い、関心が薄いという意味ですが、味わってみると面白い県です。
唐津は佐賀県北部にありますが、福岡空港からなら空港地下から発車する地下鉄1本で行ける(途中からJRに乗り入れます)ので、それを利用しました。佐賀空港よりも福岡空港の方が便利に使えるというあたりにも、佐賀県の印象の薄さがあるのかもしれません。
名護屋城跡は、その唐津からバスで数十分です。「跡」ですから建造物は1つも残っていませんが、その礎石などを見ると、またこの城を建てた秀吉の性格を考えると、神々しいばかりの大城郭があったことが想像できます。史跡をたどるときには、想像力が必要です。原城跡にしても、そこでの戦いと戦いが済んだ後の虐殺というべき戦後処理を思い浮かべながら見学すると、草ぼうぼうの丘陵が、天草四郎や知恵伊豆の生きた証に見えてきます。
平戸と島原は、潜伏キリシタン関連遺産が世界遺産に登録されて間がないということで、どこの博物館なども展示に力が入っていました。世界遺産そのものは原城跡しか行きませんでしたが、それ以外の施設でも、それに関連付けて展示がリニューアルされたようです。それらを見ると、日本はどうしてこんなにも異端者に不寛容なのだろうと考え込んでしまいます。神仏習合などを見る限り、宗教に関しては寛容なはずなのですが、お上が「ダメ」と決めつけた途端に、平気な顔でキリシタンに残酷な仕打ちをしてしまいました。ネット上での炎上を思い浮かべました。
実は、今回の旅行で一番時間をかけて見学したのは、島原にある「がまだすドーム」です。1991年の雲仙普賢岳噴火の記録を残した施設です。地学マニアとしては、外すことができません。ネットなどでは見学1時間となっていましたが、3時間かけて隅から隅まで見てきました。
「先生、焼けましたね」と、朝礼の時にS先生に言われました。確かに、毎日10キロは歩いたと思いますが、先週の九州はそんなに日が照りませんでした。それどころか、昨日の熊本はうすら寒いほどでした。8月の九州で半袖から出た腕をこすることになろうとは思いもしませんでした。
午前の授業をしながら、先週の今頃は平戸大橋を渡っていたころだなとかって思っていました。休み気分が抜けていないのは私以上に学生で、1週間授業がないとこんなにもしゃべれなくなるものかと、逆に感心させられました。