7月11日(土)
昨日学生に書いてもらったスピーチコンテストの原稿を読みました。今回の私の担当は上級クラスなので、先学期の初級クラスのTさんみたいな、文字は日本語だけど文は日本語じゃないっていうような、とんでもない作文はありませんでした。
しかし、確かによく書けているんだけど、スピーチの原稿って考えるとどうだろうかっていうのが多いのです。自分の身の回りで小ぢんまりとまとまっている印象です。独自の意見を述べているんだけど、広がりが感じられません。聞き手が共感するだろうかと考えると、残念ながらNOなのではないかという文章が多かったです。
スピーチコンテストで入賞できなかったとしても、それは学校の中だけの話で、「残念だったね」で済みます。しかし、こんな雰囲気で入試の小論文を書いたとしたら、残念な結果のオンパレードになりかねません。小論文も個人の意見や経験をベースにしますが、そこから導き出されるものに普遍性や読み手の心を動かす何物かがなければ、合格は疑わしいものとなります。
まず、広い視野で多角的に物事をとらえる力をつけさせなければならないでしょう。そのためには良質な読み物を与え、その内容に関して活発に意見交換していくような授業が必要です。教材をいかに料理するか、教師の力量も問われます。その上で、そこで培われた目で見た問題の本質や自分自身の考えを、訴求力のある文章にしていく力も養っていかねばなりません。
教師の側からすると、高すぎる目標ができあがってしまいました。