成立

6月21日(金)

日本語教育推進法が参議院を通過して、成立しました。今後日本には、いろいろな形で労働者が入ってきます。法律上は、言葉がいらない程度の労働には外国人を就かせてはいけないことになっていますから、これから日本へ来る労働者は日本語が必要です。言葉を交わす必要のない労働はロボットなど機械がすることになっていくでしょうから、日本で働く外国人には二重の意味で日本語を勉強することが求められます。さらに、5年とかというまとまった期間日本で過ごすことになれば、日本社会に溶け込むことも必要となり、そのためにも日本語の習得は必須だと言えます。

その日本語教育は、雇う側の責務とされています。外国人を労働力としなければならない会社は、必ずしも経営体力のある企業とは限りません。労働力は欲しいけれども、日本語教育に関する責務は負う力がないという企業はどうなるのでしょう。地域で面倒を見ていくことになるのでしょうか。

日本語教師を始めた時、ある会社の研修生を教えました。その会社の海外現地工場のエンジニアが日本の主力工場に研修に来て、その時に受ける日本語教育を担当しました。研修生向け教科書の定番「しんきそ」を使って教えました。

今思うと、技術を身に付けるために、その準備段階として日本語を習得するという方向性が明確でした。覚えた日本語を使って、日本の工場の現場で働いている日本人から直接技術を学ぶのですが、それ以前に、その人たちと良好な人間関係を築いていかなければなりません。まず、日本語を覚え、工場の人たちとコミュニケーションが取れるようになり、その上で技術を教えてもらうという図式がはっきりしていましたし、それにのっとって研修生たちは日本での生活を送っていました。

こういう形を、この法案は理想としているのでしょう。でも、これは一朝一夕には作り上げられません。法律を実効性のあるものにしていくには、幾多の山があります。

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