6月17日(月)
いよいよ今学期も最終週を迎えました。各レベルで期末タスクが盛んに行われる時期です。
私のクラスは、会話テストがありました。課題を与え、ペアで会話を作ります。今学期勉強した文法や語彙を使い、ストーリーをきちんと締めくくることが求められます。自然消滅とか単なる雑談とかけんか別れとかは点数になりません。会話テストですから、もちろん、発音の良さも評価項目の1つです。
どのグループも概してよくできていましたが、敬語を上手に使っていたグループが目立ちました。習ってから間がない文法項目ですし、学生たちの印象も強かったのでしょう。文法テストで散々苦労させられたという面も見逃せません。実際の会話においても、自然に敬語が出てくるようになれば、私も教えた甲斐があるというものですが、果たしてそれはどうでしょう。
逆に学生たちがあまり使わなかったのは、「どこに置いたか忘れてしまった」のような、疑問文を文の中に組み込んだ文型です。「どこに置きましたか。忘れちゃったなあ」とかってごまかしていました。それから、使役も使ってほしいところで使ってくれなかったなあ。テストが過ぎたら、きっと使わなくなってしまったんでしょう。
こういった文法が自然に出てくるのは、中級や上級でもまれてからでしょう。私のクラスの学生たちは、ようやく「~てしまいます」が使うべきところで出てくるようになったばかりです。現在進行形じゃない「~ています」も、少しずつ使えるようになってきたところです。受身はまだまだですね。
これは、教師の側の課題でもあります。目標とする文法項目を使わせようと仕組んだ練習の中ではなく、普通の何気ない発話の中で、習った文法を使うべきところをビシビシ指摘し、言い直させ、こういう時に使うんだと学生に体で覚えさせなければなりません。こうするには、教師が既習文法を使う場面に敏感でなければなりません。
これが、相当に難しいんですよね。学生ばかりを責めてはいられません。