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6月15日(土)

明日は6月のEJU本番です。前日に問題を解いても点が上がるとは思えませんが、受験講座に最後まで、しかもこの強い雨の中、通ってきた学生たちは褒めてあげたいです。

KCPの学生の一番悪いところは、わりとあっさりあきらめるところです。今学期は最初と最後のEJU講座を受け持ちましたが、半分でしたね、残っていたのは。KCPの講座は生ぬるいから自分で厳しき鍛えるというのならやめるのも大歓迎ですが、そうとは思えないメンバーが抜けています。

ただ日本にいるだけでは、日本語の力はつきません。ことに、高等教育が受けられるレベルの日本語は、しかるべき積み重ねが必要です。また、教科書を読んだり問題を解いたりするだけでは、話すとか書くとか、情報発信系の技能は身に付きません。受験のテクニックだけでは、今、大学などが留学生にいちばん求めているコミュニケーション能力は身に付きません。

目の前のEJUでそれなりの点数を取るだけなら、短期集中ガリ勉(普通の勉強じゃありません。ガリ勉です)でもどうにかなるでしょう。11月のEJU直前のLさんなんかはそんな感じでした。そして、目標以上の高得点を挙げました。しかし、そこまででした。満を持して臨んだ志望校には受かりませんでした。おそらく面接で失敗したのでしょう。だから、長期的視野で自分の勉強をとらえ直してもらいたいのです。

私はそういうつもりで、通常の日本語授業も受験講座も行っています。KCPのテストにも入試にも出ないけれども、日本で暮らしていくのなら使えるようになっておくべき表現とか、大学に進学してから役に立つ考え方なども交えて教えています。超級なら、そういうことを念頭に置いて教材を作っています。

途中で脱落した学生たちは、目の前の日本語すら手にしていないかもしれません。大いに心配です。

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