覚えたつもりでも

3月25日(月)

期末テストの前日は、今学期のまとめが授業の中心となります。私のクラスでも、今学期全体とはいかないまでも、中間テスト以降に勉強したことを応用する練習をしました。学生はできたりできなかったり、一喜一憂していました。

今、私が受け持っているクラスは初級の一番最後のクラスで、期末テストに通れば中級になる学生たちが勉強しています。私は中級に上げてよい学生を見極めるためにクラスに入っているという触れ込みになっていますから、多少はいいところを見せようとします。しかし、そう簡単に習ったことが自由自在に使えるわけがありません。どこに使うか明らかな場合は、もちろん使えます(使えなかったら困ります)。しかし、一ひねりして迷彩を施すと、とたんに使えなくなります。使うべきところで使えるようになるまでには、レベル2つ分ぐらいかかるものです。

しかし、漫然と勉強しているだけでは、そうはなりません。話した言葉を聞き返され、わからないと言われ、誤解され、作文を真っ赤に添削され、テストで細かく点を引かれ、時には再試となり、そんな辛い道を歩んで、使うべき場面、使ってはいけない状況を体で覚えていくのです。マークシート方式のテストならわりとすぐに点が取れるようになるものですが、コミュニケーションツールの一要素として文法や語彙を正しく扱えるようになるには、習ってからしばらく時間がかかります。

実際に、今、このクラスの学生たちが私にさんざん注意されているのは、先学期やその前に勉強した項目が中心です。予期せぬところで予期せぬ文法を使えと言われ、「ああなるほど、この文法はこういうときに使うんだ」という発見を繰り返し、何か月か前に習った文法や語彙を身に付けていくのです。

泣いても笑っても明日は期末テストです。しかし、学校のテストは終わっても練習や勉強は続きます。文法などは、むしろ、この後が本当の勉強なのです。

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