2月2日(土)
今学期の作文は比較的やりやすい学生たちに当たったと思っていたら、やっぱりとんでもないのがいました。先週は休んで今週は出てきたZさんのを読もうとしましたが、1行目から挫折しそうになりました。しょっぱなから「長い人生がほしいだ」ですよ。初級で何を勉強してきたのでしょう。どうやって中級まで上がってきちゃったのでしょう。
Zさんの話し言葉はそんなにひどくはありません。音声は形に残らないのに対して、文字は目で何回でも確認できますから、間違いが目立つという面もあるでしょう。でも、文と文のつながりがわからないのです。そういう発想でもってこういう文章を生み出したのか、全く見当が付きません。進学希望ですが、志望理由書などどうするつもりなのでしょう。
実は、今週はひょんなことから英作文をしなければならなくなりました。英語で文法の説明をしたり指示を出したりすることは、年に数回ぐらいはあります。受験講座や上級の授業などで英単語をホワイトボードに書くこともあります。しかし、まとまった長さの文を書くというのは、今の校舎ができてから初めてじゃないかなあ。
言いたいことを文にしてみると、KCPだったらレベル2ぐらいの文法であり語彙です。というか、知らず知らずのうちに、難しいことを考えなくなっていたのです。自分の作文能力に見合ったことしか頭の中に浮かんでこなくなりました。無意識のうちに自主規制したいたのでしょう。作文に取り組んでいる学生たちも、こんな状況に追い込まれているのだろうかと思いました。
その点は、Zさんは立派なものです。言いたいことを思い切り原稿用紙にぶつけてきましたから。惜しむらくは、そのほとんどが失敗で、日本語教師すら理解に苦しんでいる点です。
自分も苦労したから学生にも甘く…などということは、絶対にしません。私みたいにならないように、厳しくチェックしていきます。