12月19日(水)
ああ、また寝ているなあ…。初級クラスのTさんは、毎日授業の後半になると居眠りを始めます。指名すると、当然答えられません。隣の学生に教えてもらって、かろうじてつじつまを合わせます。Tさんは口移しで答えるだけですから、勉強にはなりません。教えてもらえるだけの人間関係を作っているのは偉いと思いますが、その人間関係を有意義な形で活用してもらいたいです。
Tさんは早朝ホテルでアルバイトをしています。朝5時からですから、4時ぐらいには起きているのでしょう。ですから、午後授業の後半、3時過ぎは眠い盛りだというのは容易に想像が付きます。朝が早いので、授業後は食事・入浴だけで寝てしまいます。早寝早起きは健康にいいのですが、勉強の時間がほとんどありません。
そんな調子ですから、成績だっていいはずがありません。いや、健闘はしていると思います。でも、合格点には及びません。暗記問題、選択肢の問題はどうにかなりますが、応用問題、筆答問題となると、まるっきりです。現状では次学期の進級は見通しが暗いです。
国のご家族や親戚は、Tさんが日本の大学に進学してくれることを期待して、留学に送り出しました。しかし、Tさんの生活や成績は、それとは反対方向に進んでいます。生活が大変なことはわかりますが、それに流されて勉強をする時間を作ろうとしなくなっています。安易な道に進もうとしています。それを何とか食い止めようと担任のK先生も手を尽くしていますが、壁は厚いようです。
Tさんは、このままでは日本語力も伸び悩み、進学も難しくなるでしょう。現に、今学期は明らかに伸び悩んでいます。どうやら、徹底的な生活指導から始めなければいけないようです。