大学の嘆き

12月15日(土)

東京からは飛行機が一番便利なくらいの距離にあるA大学の先生が、こんなことをおっしゃっていました。「東京の日本語学校の学生さんは、なかなかウチへは来てくれません。だから、最近は海外の高校に直接学生募集をかけてるんです。海外までの旅費を考えても、そっちの方が効率がいいくらいなんですよ」。

A大学は、少なくとも日本人にとっては“いい大学”です。A大学ですら、東京での学生募集に苦労しているのかと驚いたくらいです。でも、それが現実のようです。

KCPの学生も、なかなか東京を離れようとしません。Jさんも、B大学とC大学の大学院に受かりましたが、日本人なら考えるまでもなく選ぶであろう国立B大学を捨てて、東京の私立のC大学にしようと考えています。いろいろと理由を言い立てていますが、東京から離れたくないという本心は見え見えです。

でも、留学生ばかりを責めるわけにもいきません。東京一極集中の結果が、A大学の嘆きであり、B大学を捨てようとするJさんの気持ちなのです。多様な人材を育てるとか、個性を重視するとかいっていますが、東京一極集中が改まらない限り、本当の意味でそういったことが実現する見込みは薄いでしょう。

まず、日本人の心が東京至上主義から変わることが必要です(そういう意味で、「東京」オリンピックじゃないほうが良かったんですがね)。私は、来年からの新しい天皇のお住まいを京都御所にすべきだと思っています。建前上、天皇は今も東京まで行幸なさっているのですから、京都にお戻りになることが本来の姿なのです。国会の開会のときは東京までお出ましになり、内閣が代わった時は大臣どもが雁首そろえて京都まで出向くのです。新任の大使は、京都駅から京都御所まで馬車で赴くのです。国賓の晩餐会も、京料理でいかがでしょう。

陛下の御動座はともかくとして、日本人の目が東京の外に向くようにしないと、少子化・人口減も相まって、日本の将来は明るくないと思います。

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