9月27日(木)
Kさんは7月までは欠席もほとんどなく、成績も優秀で、何の問題もない学生でした。しかし、7月末に体調を崩してからというもの、なかなか健康を取り戻せず、しかも、熱がある時に体を動かしたら階段から落ちてけがまでしてしまいました。精神的にも参ってしまい、今月もほとんど登校していませんでした。
そのKさんが、期末テストを受けに来ました。テスト範囲の授業をほとんど聞いていないのですから、テストを受けてもできるはずがありません。並の学生なら「どうせ…」と思って休んでしまうものですが、Kさんは出てきたのです。顔を見ると明らかに調子が悪そうだったのですが、テストを受けるとともに、今までの事情を説明に来たのです。
Kさんは来学期以降もKCPで勉強したいと言いました。私も、こうしてきちんと現状を明らかにしようというKさんなら、このままずるずると長欠に陥ることはないでしょう。健康状態が回復すれば、勉強を続けてほしいと思います。しかし、「健康を回復すれば」という大きな条件が付きます。今、日本で勉強を続けるよりも、一旦帰国して体を完全に治してから再挑戦したほうが、Kさんにいい結果をもたらすかもしれません。勉強を継続するか帰国するか決められるのは、Kさん自身です。Kさんならその判断ができると思います。
そういう話をしたら、Kさんは泣いてしまいました。涙の理由は聞きませんでしたが、自分自身に対して涙していたことは確かです。国で勉強していたら流すことのなかった涙でしょう。同じ国から来ている同級生のYさんが慰めていました。どういう結論に至っても、この涙が無駄にならないことを祈るばかりです。