ぽかん

9月25日(月)

期末テストが近づき、授業中に行われる平常テストで不合格だった学生が大量に再テストを受けました。なぜ、「大勢」ではなく「大量に」という言葉を使ったかというと、同じ学生が複数の再テストを受けたからです。複数でも何でも、再テストで合格点を取ってくれればいいのですが、再テストをしても合格点に手が届かない学生がいました。それどころか、最初のテストよりも成績が下がる例すらありました。

勉強せずに再テストを受けたということはないでしょうから、冷たく言い切ってしまえば、実力がないのです。こういう学生には、もう一度同じレベルをやってもらおうと、私の心の中では思っています。サボっていて実力が伸びないのなら、もう一度、こんどはまじめに勉強しなおしてもらいましょう。教師の説明がわからなかったのなら、二度目に聞けばわかるようになるでしょう。今学期わからなかったところを整理しておいて、来学期そこを集中的に聞いて理解することができれば、1回目で理解したつもりになっている学生より確かな実力となることでしょう。

最も厄介なのが、もう限界組です。努力しても、語学に対するカンを持ち合わせていないため、実力が頭打ちになってしまっている人たちです。助詞の用法でも動詞の活用の使い分けでも、理論的に説明できないことはありません。しかし、教師の説明だけで理解しようと思うと、膨大な量の日本語を聞かなければなりません。その日本語を聞いて理解するほうが、そこで説明されている文法を理解するよりよっぽど難しいです。ですから、カンによってそれを補い、少しの説明から応用範囲を広げていく才能が必要なのです。その才能がない人は、そこで打ち止めです。

残念ながら、私のクラスにもそれらしき学生がいます。初級の終わりぐらいの段階でもうそれが来てしまったとは、本人も認めたくないでしょうし、こちらとしてもどうにかならないものかと思ってしまいます。学期の初めはそれ程でもなかった差が、今は歴然としています。教師の地の語りが理解できるようになった学生がいる一方で、それを聞いてもぽかんとしている学生もいます。ぽかんの人たちに、どこかで引導を渡すのも、私たちの仕事です。

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