9月19日(水)
「はい、KCPです」「Jと申しますが、熱があるので学校を休んでいただけませんか」
電話の主は、上級の私のクラスのJさんです。自ら名乗ったところはさすが上級ですが、“休んでいただけませんか”はいただけません。ボケをかましてやることにします。
「休んでいただけませんかと言われても、休みにするわけにはいきませんねえ」「でも、体の調子が悪いです」「はい、そういうときは何と言えばいいんですか」「熱があるので学校を休んで……大丈夫ですか」
出た! どんな場面でも通用するオールマイティーワード・ダイジョウブ。初級の学生ならともかく、上級の学生には使ってほしくありません。困らせてやることにします。
「何がどう大丈夫なんですか」「熱があるので学校を休みたいです」「休みたいです? はい、レベル1」「ええっ? …休んでくださいませんか」「私が休むんですか。いやです」「いいえ、休むのは私です」「じゃあ、何と言って断ればいいんですか。もう一度きちんと言ってください」「休みたいんですがいいでしょうか」「私の後について一緒に言ってください。『熱があるので休ませていただけませんか』」「熱があるので休ませていただけませんか」
病人相手にちょっとかわいそうだったかもしれませんが、声の張りからすると微熱で念のため休む程度でしょうから、ちょっと訓練してやりました。上級には上級らしい話し方をしてもらいたいですから。Jさんにしてみれば、電話を取ったのが私だったというのが、運の尽きだったというところでしょう。
さて、Jさん、今度休む時はちゃんと言えるかな…。