9月1日(土)
今週一番ショックだったニュースは、やっぱりさくらももこさんが亡くなっていたことがわかったというニュースです。サザエさん同様、ちびまるこちゃんも作者が亡くなってもアニメ放送自体は続くでしょうが、どこからともなく寂しさが湧き上がってきます。
さくらももこさんは私より少し若いですが、だいたい同じ世代と言えます。それゆえ、ちびまるこちゃんの1つ1つの場面やエピソードには、非常に強い共感を覚えます。そういう、懐かしさを共有できる人が亡くなったこと、子どものころの思い出を掘り起こしてその中に浸らせてくれる人がいなくなってしまったことが、寂しさの源だと思います。
サザエさんもドラえもんもクレヨンしんちゃんもかつての日本の家族や暮らしを描いていますが、私の世代にドンピシャリなのは、やはりちびまるこちゃんです。舞台設定が、1970年代の清水という、大都会でもド田舎でもない、ほどほどに田舎で人の温かみがあって子どもが街と自然の境目ぐらいで遊んでいてという、私が子供のころに過ごした環境に近いのです。上述のようにちびまるこちゃんは不滅でしょうが、なんだかちびまるこちゃんにも永遠に会えなくなり、郷愁を覚える街も一緒に消え去ってしまったような気がしてなりません。
日本のアニメにあこがれて来日する学生も多いですが、物心ついたのは21世紀という彼らにとっての“さくらももこ”はいったい誰でしょう。彼らが私の年代くらいになったときに子どものころの香りを呼び起こされる作品って何でしょう。そんなことを考えた一週間でした。