若いうちに

8月30日(木)

Sさんは今年の4月生で、T大学を第1志望校にしている初級の学生です。T大学は超難関校ですから、来年首尾よく入れるかどうかわかりません。その場合、どうするかという話になりました。要するに、T大学に入ることにこだわるか、1年でも早く進学することを優先するかです。

私は1年でも早く進学することを勧めました。Sさんは理科系の学生で、将来は研究者になろうと考えています。理科系の研究者は若いときにどれだけいい仕事をするかで人生が決まります。ですから、若くて柔軟な頭脳を1年間受験勉強というあまり創造的とは思えないことに縛り付けておくことには賛成できません。偏差値レベルとしてはT大学に劣る大学でも、そこに入って早く専門教育を受け、研究を進める力を身に付け、センスを磨き、1秒でも早く研究の第一線での競争に参戦することが、研究者としての人生をより実りあるものとすると思います。

また、理科系の場合、入りやすい大学に入って、大学院入試でいわゆる一流大学を狙うことも可能です。さらに、すでに故国を後にしている留学生なら、日本の大学から海外の大学院に進学することについても、日本人の大学生より壁が低いと思います。

KCPの営業的には2年勉強してもらったほうがいいです。でも、Sさんの理数系の実力をもってすれば、日本語の実力を順調に伸ばしていければ、年明けが独自試験となる国立大学なら、合格の芽もないわけではありません。だから、Sさんには1年で進学して、研究者として輝く道を進んでほしいのです。そういう意味で、Sさんは私にとって希望の星です。

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