塗り絵ではなく

7月26日(木)

今学期の受験講座理科の上級クラスは、EJUの勉強を離れて筆記試験の練習をしています。物理は計算経過やそれに基づいた議論を論理的にわかりやすく示すよう指導しています。化学は計算問題で戸惑わないように訓練しています。また、理由の説明などの文で答える問題では、落としてはいけないキーワードをきちんと取り込む練習もしていきます。

生物の筆答問題を見ると、穴埋め問題が少なからずあります。専門用語や物質名などを正確に覚えているか、現象や理論を正確に覚えているかなどを見ることが、こういった問題の出題意図なのでしょう。しかし、これを改めて見てみると、穴が開けられたことで日本語の文章としての難易度が上がっていることがわかりました。意味の取りにくい文章になっているのです。それがそのまま留学生入試に出されると、留学生は日本語の理解だけでもかなり時間がとられそうな気がします。

実際、優秀なPさんやHさんやYさんも、やらせてみるとなかなか筆が進まなかったようです。答えを聞いて苦笑いしたり、専門用語の意味を確認したりしていました。穴の埋まった文を読み返し、その内容を理解しようとしているようにも見えました。

また、「10字程度で答えよ」という問題では、“耐熱性”などと3字で答えるのではなく、“高温でも変性しにくい”と、制限字数をフルに使い、もう一歩踏み込んで答える練習もしています。まだ答え方に慣れていないので、気の利いた答えはなかなかでてきません。そこまで要求するのは、今の学生たちには無理かもしれません。

6月のEJUの結果を見たPさんは、日本語が思ったほど取れなかったので、独自試験に重きを置く大学を狙うことにしました。そうなると、より一層こういう鍛錬が必要となってきます。

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