7月24日(火)
最近、大学関係者にお会いしてお話を伺うことが多いのですが、文部科学省が打ち出した都内の大学の定員厳格化についてお聞きすると、皆さん留学生入試にも影響があるとおっしゃいます。どうやら、残念ながら、入りにくくなる方向に動いているようです。定員をオーバーしたらお金を出さないぞというのですから、キャンパスの国際化より先立つものが優先されたとしても、強く責めるにはあたりません。
もともと私は、留学生が東京の大学にばかり入りたがるのを好ましいことだとは思っていませんでした。だから、これを契機に留学生が東京以外の大学にも目を向けること、そして、日本のいたるところに興味を持ってほしいと思っています。東京は日本を代表する都市ですが、日本のすべてを表しているわけでも、すべてが集約されているわけではありません。遊ぶには興味が尽きない街かもしれませんが、青春を捧げるのに、一生涯持ち続ける価値観を形成するのに最も適した街ではないように思えます。
そういったものは、無機質ではなく、具体的な人と人との濃密な関係性の中で発生するものだと思います。私は学生時代を東京で送りましたが、この意味において実に平凡な町で過ごしてしまったと、わずかばかりの後悔とともに振り返ることがあります。
だから、東京の大学には、自分の大学が東京になくても学生が吸い寄せられるような魅力を築いてほしいです。それさえあれば、文科省の方針がいかにぶれようとも、それに乗せられて右往左往することはないでしょう。学生の背中を押すのが役割の者としては、それがあるかどうかを、あらゆる手段を使って見極めていきたいです。