6月19日(火)
ゆうべ、帰宅間際にM先生から中級の読解の教材に使えそうな文章はないかと聞かれました。今学期私が担当しているレベルでもあり、常々読解教材の古さは気になってもいましたから、「探してみます」と引き受けました。
毎年度後半になると、私は超級クラスを担当し、そのクラスの読解教材は自前でそろえています。市販の留学生向け教材では易しすぎるのです。今年になってからも、候補となりそうな文章を少しずつ貯めてきましたし、去年以前に採集はしたけれども使うには至らなかったストックもあります。その中から手ごろなものを見つけようと、今朝出勤してから、まず、コンピューターの中を漁り始めました。
すると、わりと最近拾ってきた文章で、超級の読解にはちょっと歯ごたえがないかなというのと、おととしのストックで短めのと、2本よさそうなのがありましたから、それをM先生に紹介しました。
読解のテクニックを学ぶのなら、内容は多少古くても構わないじゃないかという意見もありますが、私は与しません。「吾輩」ぐらい古くなっちゃえばそれはそれで価値がありますが、「もうすぐ香港が返還されます」なんていうのはいかがなものかと思います。また、理系人間として古い技術を最新技術であるかのように扱っているような教材には一言物申したいです。
そういう観点から、鮮度の落ちにくいテキストを選んだつもりです。また、中級の教材ですから妙に韜晦した文章はいけません。論旨の明確なものが適しています。もちろん長さも考慮します。私が推薦した文章が来学期以降の中級読解教材になるかどうかは、まだわかりません。でも、超級の教材探しにもそろそろ本腰を入れなければと思いました。