6月5日(火)
Bさんは今学期の新入生で、レベル1にいます。クラスの中では理解も早く、発言も多く、中間テストの成績も抜群でした。ですから、先週の面接の時に、次の学期にレベル3に上がるテストを受けたらどうかと勧めてみました。そのテストを受けるには担任のM先生の許可をもらう必要があります。そして、昨日、BさんはM先生から許可を得ようとしましたが、断られました。
終業のチャイムが鳴ると同時に、Bさんはメールを見ました。そのとき、M先生はまだ話をしていたそうです。M先生としては、まだ授業が終わったとは思っておらず、授業中に携帯電話を使ってはいけないというルールに触れたと判断したのです。ですから、ルールも守れない学生に上のレベルに進級するチャンスを与える必要はないと考え、Bさんの要求を拒否したというわけです。
KCPは勉強さえできればそれでよいというスタンスは取っていません。たとえチャイムが鳴っても、教師が「終わります」と宣言しない限り授業中です。もちろん、チャイムが鳴ってから10分も15分も授業を続けるというのは非常識とされてもしかたありません。しかし、チャイムの直後に携帯をいじったら、学生側がフライングを取られても文句は言えないと思います。そのとき教師の話に全く注意を向けていないのですから。
受験講座を終えて職員室に戻ってきたらBさんが泣きついてきましたので、そんな話をして、M先生に詫びを入れて、改めてチャンスをもらうようにとアドバイスしました。こういう苦労が日本語を伸ばすのです。塞翁が馬になってくれたらいいのですが、果たしてどうでしょう。