5月29日(火)
Yさんは今の校舎を建てている時の、仮校舎時代の卒業生です。J大学とS大学に合格し、母国でも名の通っているJ大学に進学しろという親と大喧嘩した末、自分の勉強したいことが勉強できるS大学に進学しました。S大学で大学院まで進み、就職戦線も勝ち抜き、大手のK社から内定を取りました。生まれて初めて親に逆らってまでS大学に入ったことが、日本人学生も羨むような会社への就職に結び付いたのです。
YさんがJ大学を受けたのも、やっぱり有名大学の学生になりたかったからです。しかし、面接練習の受け答えには鋭さが欠けていました。Yさんの本心を知っていたからかもしれませんが、いかにも作り物の答えというにおいがぷんぷんしていました。それでもJ大学に受かってしまったのですから、優秀な頭脳を持っていたのだと思います。
S大学のときは、包み隠さず本心を吐露すればそれが面接の答えになりますから、実にのびのびとこちらの質問に答えていました。パンフレットを読み、現地を見て、どうしてもこの大学で学びたいという気持ちが募り、それも面接本番に表情やことばのはしばしからほとばしり出たのでしょう。
世間的には本命のJ大学、滑り止めのS大学ですが、Yさんにとっては世間体のJ大学、本命のS大学でした。YさんがS大学で大いに努力したことは確かですが、それを苦しいとか辛いとか思っていませんでした。勉強したいことを勉強している喜びのほうがはるかに大きく、KCPへ来た時はいつも生き生きとした顔をしていました。その延長線上に、K社への就職内定があるのです。
やっぱり大学は名前よりも学問の中身です。明日は校内進学フェアですが、そこまで考えて大学担当者の話を聞いてもらいたいです。