受験したい

6月3日(水)

初級のOさんは17年に国立大学に入りたいと言っています。学部は、「よくわからないけど、将来貿易会社に入りたい」とのことでした。また、国立大学なら東京や東京近郊にはこだわりません。

要するに、漠然と国立大学に入りたいと思っているだけです。そう思うことはとても大切ですが、まだ受験勉強の大変さを知らないので、この気持ちを最後まで持ち続けられるかは疑問です。進学コースの学生は入学と同時に厳しくしごかれるので、Oさんと同じぐらいのレベルの学生ならもう少し具体像を描いていますし、初志を維持する難しさもだんだん感じてきています。進学コースではないOさんは、そこのところから始めなければなりません。

先学期私が担当した初級クラスの学生だったHさんは、学期末に急に「大学進学したい」と言い始め、受験講座に申し込み、進学コースの学生と一緒に勉強を始めました。しかし、すでに挫折し、大学進学はあきらめてしまいました。受験勉強を続け、最初に考えていた大学に入ることは無理だということがわかったと、少し寂しげに言っていました。Oさんもそうなってしまうのではないかと心配しているのです。今は意気込んでいますから何でも「大丈夫」と言ってしまえますが、1年半後も同じ気持ちでいられるでしょうか。

若者が成長するには挫折も必要です。しかし、味わわなくてもいい挫折まで引き受ける必要はありません。大学受験は単なる勢いや流れで首を突っ込むと、無用のダメージを受けるおそれがあります。Oさんにはじっくり考えて、最終判断するように指示を出しました。

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