熱中

5月9日(水)

あさってに迫った運動会の準備がたけなわです。クラスでは運動会のしおりが配られ、会場までの行き方を教えたり、会場内での諸注意の読み合わせをしたりしました。授業後には、各種目の競技役員を務める学生たちに動きを説明したり、各チームの応援のフォーメーションをあれこれ考えたりという先生方の姿が、職員室のあちこちで見られました。

その運動会で写真や動画を撮ってくれる学生を募集したところ、我も我もと手が挙がり、担当の先生が目を回してしまいました。チームの応援に使う横断幕を学生に描いてもらおうと思ったら、みんな熱中してしまい、下校時刻を過ぎても帰ろうとしません。確かにKCPから美術芸術系の大学などに進学する学生は多いですが、芸術家の卵たちは、自分の腕を試す場を見逃そうとはしないようです。

私は写真を撮ることにも絵を描くことにも、全く興味も才能もありません。絵や写真を見る目も持っていません。ですから、絵や写真に熱くなる学生の気持ちが、本当のところはわかりません。そういうところに自分の居場所を見出しているのでしょうが、その居場所がその学生にとってどれほどかけがえのないものなのかまでは、想像力が及びません。

私もそういう場所を持ちたかったなあと思います。時間を忘れて打ち込める何かを持っている学生たちが、とてもうらやましいです。それが芸術系だったら、人の心を動かすことができます。私のように「趣味読書」では自己完結ですから、上述の横断幕のようにみんなの感動を呼ぶなんてことはあり得ません。

KCPの運動会は、スポーツの祭典だけではないのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です