映画に夢中

5月2日(水)

欠席した中級クラスのYさんに電話をかけると、ケータイをどこかに忘れたからアラームを鳴らせず、朝起きられなかったという言い訳が返ってきました。さらに問い詰めると、夜中の1時過ぎまで映画に夢中になっていたとか。今はスマホで何でもできちゃいますから、こんな始末になるのです。

そんなやり取りをK先生が聞いていました。「Yさんって、あのYさんですか」「はい、あのYさんです」「やっぱり…。初級でダメだったらずっとダメなんですよね」「まあ、今から劇的に改善するって、ちょっと考えにくいですね」

そもそも、Yさんは今学期の最初の4日ばかりを休んでいます。先学期の先生に厳しく言われていたのに、一時帰国から戻ってきたのが、学期が始まってからだったのです。入学から今学期まで、私も含めて多くの先生方から指導を受けてきたのですが、時間に対するルーズさというか、生活のいい加減差というか、そういうことを改めようという気配が全く感じられません。

TさんもYさんと同じ中級レベルの学生ですが、こちらは非常な努力家です。入学以来出席率は100%で、成績もきわめて優秀です。先学期、ひどい風邪をひいてとても辛そうなときもあったのですが、学校は休まず、平常テストの成績も落ちることはありませんでした。Yさんなら咳がちょっと出ただけでもこれ幸いと速攻で休んだことでしょう。Tさんは自分を厳しく律することができるのに対し、Yさんは易きにつくきらいが見られます。

Yさんもご他聞に漏れず有名大学への進学を希望していますが、今の生活を続けていたら到底無理です。私たちは手を変え品を変え本人の自覚を促すことはできますが、文字通り「促す」までです。本当に危機感を覚え、その危機から脱するための行動を取るかどうかは、最終的には本人次第なのです。

Tさんは午後の受験講座も必死に取り組み、わからない点はどしどし質問し、自分を伸ばそうとしていました。そのとき、Yさんは何をしていたのでしょう…。

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