3月12日(月)
2年前の卒業生のGさんとLさんが来ました。Gさんはあれこれ就活していますが、まだ結果が出ていないとのこと。もう時間がありませんが、最後まで粘り強く仕事を探すそうです。
Lさんは、大阪の調理の専門学校に通っています。東京へは食べ歩きに来たと言います。今晩は、銀座へ2万円のお寿司を食べに行きます。おいしいと評判の店はくまなく回って味の研究をしているそうですが、中にはどうしても予約が取れないところもあると、残念そうな顔をしていました。
大阪で有名な店の名前を出したら、もう行ったことがあるとあっさり言われてしまいました。その店は、私なんかは接待でもない限り食べに行けません。たとえ行けたとしても、緊張して料理を味わうどころではないでしょう。そういう店にも果敢に入って堂々と味わってくるのですから、感心せずにはいられません。しかも自腹ですからねえ…。
アルバイト先にも恵まれているようで、学校で習ったことを実際にさせてくれるそうです。お客さんに出す魚は切らせてもらえませんが、野菜ぐらいは任されることもあるらしいです。Lさんは、和食の料理人になろうと思っていますから、その店での経験は全てがLさんの血肉になります。
専門学校での成績はかなり優秀だと自慢していました。でも、卒業したら国へ帰らざるをえません。寿司職人ではビザが取れませんから。政府が考えている高度人材は学問やビジネスの分野ばかりで、手に職をつけた外国人はその範疇にありません。Lさんが国へ帰ってしまったら、やっぱり人材流失だと思います。まじめに勉強してきたGさんに仕事を用意してあげられない日本の社会は、どこかゆがんでいるような気がします。これからの日本は、国籍が日本の人だけが頑張ればどうにかなる社会ではないと思うのですが…。