3月3日(土)
今朝の日本経済新聞によると、文部科学省は大学を「世界的研究・教育の拠点」「高度人材の養成」「実務的な職業教育」の3種類に分類するそうです。文科省が何と言おうと、大学がこの順番に序列化され、KCPから大学進学しようと考える学生たちは「世界的研究・教育の拠点」大学を狙うことでしょう。
抜群に優秀で、間違っても「世界的研究・教育の拠点」大学に入れちゃう学生は、まあいいでしょう。しかし、「世界的研究・教育の拠点」大学に失敗して、「高度人材の養成」大学に受かった学生はどうでしょう。官製ランキングのおかげで、喜びも半減となってしまうかもしれません。
文科省の言いたいこともわかりますし、これが理想的に機能したら日本の大学の世界的地位の向上につながるかもしれません。しかし、今ですら足りない大学への補助金抑制策の一環としてこういうことを考えているのだとしたら、本末転倒だと思います。「喜びも半減」の学生が集まってもその大学を伸ばすパワーにはならないし、このランキングをもとに大学の活動費が削られでもしたら、まさに負のスパイラルです。
また、今はよい意味で大学ランキングの埒外の大学がいくつかありますが、そういう大学もランキング枠内に入れ込むのだとしたら、角を矯めてしまうことになるのではないかと危惧しています。大学側も、官製ランキングに振り回されないような個性と自信を持って、学生に訴えかけてもらいたいです。
有名大学が“いい大学”だという傾向があることは認めます。でも、個々の学生にとっての“いい大学”は、巷間に流布しているランキングとは別の次元のものだとも思います。世間的な“いい大学”を捨てて自分の意志で選んだ大学に進み、そこで充実した学生生活を送っている卒業生が何人もいます。自分の物差しを持てと言われても難しいと思いますが、誰かが作ったランキングで自分の人生を決めていくなんて、悔しいじゃありませんか。