テストの教室で掃除

2月16日(金)

中間テストがありました。午前中は上級の卒業しない学生たちを集めたクラスの監督でした。来学期以降もKCPで勉強を続ける学生が主力ですから、いつもと違う顔ぶれに少し緊張気味でしたが、しっかり試験問題と取り組んでいました。

午後は諸般の都合で2クラスをまとめたクラスの監督でした。40名近い見慣れぬ学生を監督するとなると、こちらも緊張します。試験場として充てられた教室の時計は、教壇に立つ教師の真正面にあります。つまり、教壇を向いている学生から見ると背後になります。こういう教室の場合、学生は時間を確認する時後ろを振り向きます。これは試験監督をする教師にとっては実にいやなものです。カンニングをする学生などそういるものではありませんが、カンニングと同じ行為が堂々とできるのです。

腕時計をしてくればいいではないかと思うかもしれませんが、近頃の学生は腕時計を持っていません。スマホが時計の役割もしますから。テスト中はもちろんスマホ禁止ですから、教室の時計で時刻確認するしかないのです。

最後の科目は答案用紙を提出したら帰っていいことになっています。帰ることで頭がいっぱいになっている学生は一刻も早く提出しようと問題に取り組みます。そうすると、テスト用紙の裏側をやらずに提出する学生がよくいます。ですから、私は学生の答案を受け取るとき、名前と用紙の裏側を確認します。裏側が白紙だったら、すぐに用紙を突き返し、裏側の問題をさせます。この合同クラスにはそういう学生が3人いました。2人はすまなそうな顔をして裏側の問題を解き、数分後に再度提出しました。残りの1人は「大丈夫です」と言って、そのまま帰ってしまいました。君の成績は、全然大丈夫じゃないよね。

ところが、問題は早々に終わっているようなのですが、いっこうに提出しない学生が1人。答案を見直すわけでもありません。制限時間が来て答案を提出すると、その学生は机の上の消しゴムのかすを集め、机を几帳面にまっすぐに並べ直し、忘れ物のチェックまでしてくれました。「テストの日に日直をしてくれる学生は珍しいなあ」と言うと、「私は校舎のお掃除のアルバイトをしていますから」とその学生。なんとなく見慣れた顔だと思っていたら、毎晩見ていたんですね。ここまできれい好きだからこそ、お掃除のアルバイトが勤まるのです。頼もしいかぎりです。

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